薬物療法
統合失調症の治療の基本は薬物療法です。統合失調症では、ドパミン(脳内の神経伝達物質の1つ)が過剰になっていると言われており、治療ではそれを緩和する抗精神病薬を使用します。以前の薬物療法は、ドパミンの過剰を改善し、幻覚妄想を治療することが中心でしたが、最近ではセロトニン(脳内の神経伝達物質の1つ)を調整する作用を持つ抗精神病薬も出てきたため、陰性症状と呼ばれる意欲の低下・感情表現の減少なども改善させることができるようになってきました。但し、残念ながらこの病気の原因はまだはっきりと分かっておらず、根本的な治療法はまだ見つかっていません。このため、再発予防に抗精神病薬を継続的に服用することが世界的に推奨されています。
作業療法
作業療法は、薬物療法がない時代から存在している治療方法で、幻覚や妄想が落ち着いた安定期に行われることが多いです。作業をすることによって、生活リズムの回復や活動性の向上、集団の中での作業を通した他者との関わりの練習をすることで症状を改善させていきます。