「わかっていてもやめられない」
何度も手を洗ってしまう、戸締りの確認が1回で終わらない、汚れや汚染への恐怖心など、生活に影響が出ていることはありませんか?
強迫症はさまざまな原因が絡み合って発症する精神疾患です。以前は不安障害の一種でしたが、強迫障害として分けられ、現在は「強迫症(強迫症群)」と呼ばれています。
今回は、自分だけではなかなかやめられない強迫症について、症状や原因、なりやすい人の特徴を紹介します。
目次
■強迫症(強迫症群)とは?
強迫症は「強迫観念」と「強迫行為」のどちらか、もしくは両方が存在します。
強迫観念とは、頭から考えが離れず、不合理だと理解していても無視できない考えやイメージのこと。
強迫行為とは、自分でやりすぎだとわかっていても、繰り返し行ってしまう行動のことです。
まずは強迫観念と強迫行為の代表例や、強迫症の原因、種類を紹介します。
◎強迫症の症状
強迫症の代表的な症状である「強迫観念」と「強迫行為」の具体例は次の通りです。
-
洗浄
手洗いやシャワー、入浴、洗濯などを何度も繰り返したり、手すりに触れられないなど。
-
確認
戸締りのほか、ガスの元栓やストーブ、電気の消し忘れなどを過剰に確認するなど。
-
儀式
自分で決めたルーティンを遂行しないと気が済まないなど。
-
こだわり
数字へのこだわり(回数など)もあれば、物を置きたい場所が決まっていて、場所がズレると落ち着かなくなるなど、物の置き場所へのこだわりがある人も。
-
危害への恐怖
自分が誰かに危害を加えた可能性や、事件・事故・犯罪を犯したのではないかと考え、周りの人や警察に確認するなど。
上記のような症状が、日常生活に影響を及ぼしているかの判断は、自分では難しいところです。少しでも心当たりのある方は、まず専門家に相談することをおすすめします。
◎強迫症の原因
強迫症の原因は、さまざまなものが絡み合っているといわれています。
たとえば遺伝要因や環境要因などです。また、脳の大脳基底核や前頭前野など、記憶力や学習、認知機能に関連する部位が「過活動状態」になっていることも発症の原因とされています。
◎強迫症の種類
冒頭でお話した通り、強迫症はもともと不安障害の仲間でした。
今は、強迫症群(強迫症及び関連症群)として独立しており、次の種類に分類されています。
-
強迫症
-
身体醜形症
-
ためこみ症
-
抜毛症
-
皮膚むしり症
たとえば「身体醜形症」は、自分の容姿に対して周囲から見てもわからない欠点を見つけ、極度に思い悩んでしまう症状があります。
詳しくはこちらもご覧ください。
■どんな人が強迫症になりやすい?
原因の1つである「環境要因」とは、いわゆる「性格傾向」や「育った環境」などのこと。
強迫症を発症しやすい性格傾向や環境とは、どのようなものなのでしょうか? 詳しく紹介します。
◎なりやすい人の特徴①几帳面
細かなことに気を付けたり、ミスをしないようにきちんとする「几帳面さ」は強迫症になりやすい性格傾向の1つです。
特に確認しても不安になったり、確認を何度もしたり、誰かに「大丈夫」と言われても不安になるなど、悪循環に陥りやすい人は要注意。
◎なりやすい人の特徴②こだわりが強い
こだわりは誰にでも少なからずあるもの。しかし、強迫症になりやすい人はこだわりが崩されると、不安定になることがあります。
たとえば、特定の数字をさけたり、物の置き場を他人に変えられたくなかったり、周りとトラブルが起きるなど、人間関係に影響を及ぼすこともあるでしょう。
◎なりやすい人の特徴③完璧主義
完璧主義とは完璧にこなせる人ではなく、完璧を求めてしまう性格傾向です。
特に自分だけではなく、周囲に対しても同じレベルの完璧を求める人は要注意。「几帳面」や「こだわりが強い」性格傾向があると、完璧主義になりやすいので気を付けてくださいね。
◎なりやすい人の特徴④幼少期のトラウマ体験
幼少期に家族などから虐待されていたり、厳しく育てられた人なども強迫症になりやすいといわれています。
トラウマ体験の影響で「当たり前」と捉えやすくなり、自分ではなかなかコントロールできにくくなる人もいるでしょう。
◎なりやすい人の特徴⑤ストレスを感じやすい環境にいる
幼少期に限らず、過度なストレスがかかりやすい環境にいる人も強迫症になりやすいです。
過度なストレスは急に来るものでもなく、日々の小さなストレスの積み重ねの場合もあります。適度に発散したり、原因になりそうな環境から離れるなどして気を付けていきましょう。
■強迫症の治療なら岡崎メンタルクリニックへ
今回は、強迫症の症状や原因について解説しました。
愛知県岡崎市にある【岡崎メンタルクリニック】では、強迫症になりやすい発達障害や統合失調症の方の治療も行っております。強迫症に限らず、今までと違う違和感がある人はお気軽にご相談ください。