統合失調症は100人に1人が発症するといわれる精神疾患です。まだ正しく理解されていないことも多く、偏見や誤解を持たれがちな病気でもあります。
今回は、統合失調症の「原因」や「症状」といった基本的な情報を、愛知県岡崎市の岡崎メンタルクリニックがわかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、早期に気づき、適切な対応につなげていきましょう。
目次
■統合失調症とはどんな病気?
統合失調症は、現実と空想の区別がつきにくくなったり、思考や感情に影響が出たりする精神疾患です。
100人に1人が発症するといわれており、決して珍しい病気ではありません。特に男性は20代前半から、女性はそれ以降の若年期に発症することが多く、男女差はほとんどありません。
※統合失調症|こころの情報サイト
※統合失調症|MSDマニュアル家庭版
統合失調症は適切な治療を受けることで症状の改善が期待でき、多くの患者さまが社会復帰を果たしているのです。
統合失調症の症状は人によって異なり、複数の症状が組み合わさることで、日常生活に支障をきたすことがあります。ここからは原因と症状について詳しくお話していきましょう。
■統合失調症の原因は?
統合失調症の原因ははっきりとはわかっていません。しかし、多くの方は神経伝達物質の乱れや遺伝的要因、生活環境などが関連しているといわれています。
◎原因は「ひとつ」ではない
統合失調症の発症は、複数の原因が組み合わさっていると考えられています。
たとえば、脳の神経伝達物質のバランス異常との関係です。特にドーパミンという物質の働きに異常が生じることで、幻覚や妄想などの症状が現れるとされています。
また、遺伝的要因も影響を与えやすいといわれていますが、遺伝だけで発症が決まるわけではありません。ただし、ほかの精神疾患と比較して統合失調症と遺伝的関係は高いと言われています。
早期に気づき治療を開始することで、働き続けること、早めの社会復帰も十分に可能です。
◎ストレスや生活環境の影響も
環境的要因として、ストレスが大きな影響を与えることがあります。ネガティブなことだけでなく、進学や就職、人間関係の変化など、人生の転機に症状が現れるケースもよく見られます。
初期症状には「眠れない」「集中できない」など、体調不良のような症状から始まることもあり、統合失調症と気づかない人も少なくありません。これらの症状が続く場合は、単なる疲れと判断せず、当院に相談へお越しくださいね。
■統合失調症の主な症状
統合失調症の症状は大きく分けて3種類です。「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」について解説します。
◎陽性症状
主な陽性症状は以下の通りです。
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妄想
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幻覚(幻聴や幻視)
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思考障害
陽性症状で最も代表的なものは幻聴です。実際には誰も話していないのに「悪口が聞こえる」「命令する声が聞こえる」といった体験をします。
妄想も幻視も幻聴も、本人には現実的に感じられるため、現実との境界があいまいになってしまうことも多いです。
思考障害とは、考えに一貫性がなくなってしまい、コミュニケーションが難しくなる状態です。話が飛躍したり、論理的ではない話し方が特徴と言われています。
◎陰性症状
主な陰性症状は以下の通りです。
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感情表現の減少
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集中力低下
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意欲減退
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引きこもり(自閉)
陰性症状は、陽性症状が急性期でおさまったあとに見られる症状です。
「引きこもり(自閉)」とは、人との関わりを避けて1日ぼんやりと過ごしたり、自分だけの世界に閉じこもったりしてしまうことを指します。
◎認知機能障害
主な認知機能障害の症状は以下の通りです。
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注意力の低下
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記憶力の低下
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実行機能の低下
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判断力の低下
認知機能障害は、社会生活に支障をきたしやすい症状であり、回復後の社会復帰にも影響を与えることがあります。
「実行機能の低下」とは、計画性や目標達成に必要な能力を指します。優先順位付けができなくなったり、段取りが悪くなったりしていたら、実行機能が低下しているかもしれません。
■「なんか違う」と思ったら岡崎メンタルクリニックへ相談を
統合失調症は早期発見・早期治療が回復のカギとなります。症状が軽いうちに適切な治療を開始することで、社会復帰への一歩に近づくのです。
しかし、初期症状は本人よりも家族や周囲の人が先に異変に気づくことも多いため、周囲の人の理解と協力も大切です。
身近にいる人が「最近様子がおかしい」「以前と比べて変わった」と感じることがあれば、それは重要なサインかもしれません。岡崎メンタルクリニックでは、統合失調症についてご相談を受け付けております。お気軽にご相談ください。