睡眠薬でぐっすり眠れたけど、「いびきがひどくなった」と家族に言われたことはありませんか?
「睡眠薬を飲んでから、なぜかいびきが大きくなった…」と不安に感じている方もいるでしょう。
実は睡眠薬の作用がいびきや、時には命に関わる睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあるのです。
この記事では愛知県岡崎市の岡崎メンタルクリニックが睡眠薬でいびきがひどくなる理由と、起こり得るリスクと対策を解説します。あなたの睡眠の質と命を守るために、ぜひ最後までお読みください。
目次
■睡眠薬でいびきがひどくなるのはなぜ?
睡眠薬を服用することにより、いびきがひどくなる主な原因は喉や舌の筋肉が緩むことです。
多くの睡眠薬は脳の活動を抑制し、筋肉を弛緩させる作用があります。これにより、身体の緊張が解けてスムーズに眠れるのですが、同時に喉の奥や舌の付け根の筋肉も緩んでしまうのです。
筋肉の緩みによって、寝ている間に舌が喉の奥に落ち込んだり、気道が狭くなったりします。そもそもいびきは、狭くなった喉で息を吸うときの振動によって音が出る仕組みが原因です。そのため、筋肉が緩むと大きないびきとなってしまうのです。
いびきの原因を理解することが、睡眠薬といびきの関係性を知る第一歩となります。
■睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクと見極め方
睡眠薬による筋肉の弛緩は、いびきを悪化させるだけではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)につながる恐れがあります。
ここからは睡眠時無呼吸症候群のリスクと見極め方を紹介ます。
◎睡眠薬が睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
当院のコラムではこれまで様々な観点から、睡眠時無呼吸症候群のお話をしてきました。
SASの原因は1つではありませんが、睡眠薬によって筋肉が緩み、気道が狭くなることで、より無呼吸の状態に陥りやすくなる場合があります。
また、無呼吸の状態では睡眠の質が著しく低下し、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こす可能性があるのです。それらは単なる眠気と異なり、事故の危険性もあるといわれています。
さらに高血圧や糖尿病といった生活習慣病、心臓病や脳卒中のリスクも高まるため、睡眠時無呼吸症候群は軽視できません。
◎睡眠時無呼吸症候群の見極め方
ご自身がSASかどうかを判断するためには、以下のサインに注意してください。
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家族から大きないびきを指摘される
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いびきが急に止まる
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いびきが止まった後で、大きな呼吸音がする
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夜にしっかり寝たはずなのに、日中に強い眠気を感じる
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集中力が続かないことが増えた
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夜中に何度も目が覚める
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息苦しさで目が覚める
これらの症状に心当たりがある方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
■質のいい睡眠のための対策
次に、できるだけいびきのない質のいい睡眠にするための対策をご紹介します。
◎睡眠に詳しい医師に相談する
睡眠薬を飲むことでいびきが生じるリスクはありますが、今この記事を読んだからといって自己判断せず、不安なことがある場合は医師に相談するのがおすすめです。
医師はあなたの睡眠状態やいびきのリスクを総合的に判断し、適切な治療法を提案していきます。いびきで悩んでいることをまだ話していなければ、まずは早めに受診して話すことから始めましょう。
睡眠薬は変更したり、薬の量を減らしたりすることもできますが、その判断は医師が行うものです。自己判断せず、必ず相談するようにしましょう。
また SASが疑われる場合は、簡易検査や精密検査を行い、必要に応じて専門的な治療に進むことも可能です。
ご自身の状態を正確に伝え、医師と二人三脚で治療を進めることは命を守ることにつながります。
◎睡眠薬以外の対策も工夫する
睡眠の質を今よりも良くするために、睡眠薬だけに頼らない対策も重要です。生活習慣の見直しは、睡眠の質を高め、薬への依存を減らすことにつながるとされています。
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就寝前の飲酒や喫煙を控える
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規則正しい時間に起床・就寝する
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適度な運動を取り入れる
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寝るときに呼吸しやすい体勢を整える
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適正体重ではない場合、体型管理をする
これらの対策を並行して行い、より良い睡眠を目指しましょう。
■睡眠時のお困り事なら岡崎メンタルクリニックへ
いびきは睡眠薬の筋弛緩作用が原因で、引き起こされる可能性もあります。しかし、今すぐに自己判断で睡眠薬を中断することは、不眠症状の悪化や不安増幅などに影響することもあるのです。
まずは医師に相談し、薬の種類や用量を変えてもらうなど専門的な対策を行っていきましょう。同時に、生活習慣の改善をすることも、いびき悪化以外の病気のリスクを軽減させるために重要です。
「いびきがひどくなった」「睡眠薬との付き合い方が知りたい」など、睡眠に関するお悩みがありましたら、岡崎メンタルクリニックまでお気軽にご相談ください。