仕事や人間関係など、特定のストレス要因によって抑うつや不安などの症状が現れる適応障害。原因がはっきりしているため、「どうすればこの状況から抜け出せるのだろう」と悩む人も多いでしょう。
以前は適応障害の症状やうつ病との違いを解説しました。
この記事では、適応障害から回復するために必要な効果的な治療法について、心療内科クリニックの視点から詳しく解説します。正しい治療法を理解し、早期に症状を緩和させましょう。
■適応障害の効果的な治し方
適応障害を治すために重要なのは、ストレスの原因から離れることです。適応障害は、明確なストレス要因で発症すると言われています。その原因が除去されない限り、心身の休息や回復はとても難しくなります。
ストレスの原因から離れるために、以下のように物理的・時間的に距離を置くことが必要です。
-
休職制度の利用
-
部署異動の相談
-
学校の長期欠席
まずは心身の十分な休息を確保することから適応障害の治療は始まります。
■適応障害を回復に導く3つの効果的な治療法
適応障害の症状が安定しない場合や、ストレスへの対処法を身につけるためには、専門的な治療が有効です。治療法は主に「環境調整」「心理療法(カウンセリング)」「薬物療法」の3つが行われます。
◎環境調整
適応障害とうつ病の違いは、ストレスの原因がはっきりしているかどうかです。適応障害であれば、ストレスの原因を取り除いたり軽減させたりすることで、症状が緩和すると言われています。
原因を特定したら、まずはその場から離れましょう。
「仕事を辞めたくない」「休んだら申し訳ない」
そう考える人も多いと思いますが、休養を取ることは治療にとって重要な過程の1つです。我慢をすることが回復を先延ばしにさせてしまうこともあるため、治療の一環として、環境を見直すことも大切です。
◎カウンセリング
カウンセリングは、適応障害の根本的な治し方を目指すものです。ストレスに対するものの見方や考え方(認知) を見直したり、対処スキルを身につけたりすることで、再発予防にもつながります。
たとえば、認知行動療法(CBT)は患者さまの ストレス要因に対するネガティブな捉え方を、より柔軟で現実的なものに変えていく方法です。もともとうつ病の治療法として誕生しましたが、不安症や適応障害などにも効果があると言われています。
◎薬物療法
適応障害は主に不安や不眠、抑うつ症状が見られます。それらの症状に対し、ベンゾジアゼピン系抗不安薬やSSRIなどの薬物を用いて治療を行います。
ただし、適応障害の薬物治療は対症療法です。主治医と相談しながら、適切な休養や環境調整を行うことが適応障害治療には重要となります。
■日常生活で実践したいセルフケア
専門的な治療と並行して、ご自身で日々の生活に取り入れることで回復を助けることも必要です。たとえば、以下の方法があります。
-
生活リズムを整える
-
ストレス対処法を学ぶ
-
完璧主義をやめる
規則正しい生活を行うことで自律神経の乱れを整え、心の安定につなげていきます。生活リズムを整えることは、治療のためだけでなく再発予防にも役立ちます。
また、カウンセリングや精神療法でストレス対処法を学び完璧主義をやめることも、復職後の再発予防につながります。
一時的なストレス発散だけでなく、長期的な視点で取り組んでいきましょう。当院では、休養のためのアドバイスも行っています。
■適応障害の治療なら岡崎メンタルクリニックへ
適応障害について解説しました。適応障害は明確な原因によって、精神症状や身体症状が出現する病気です。
適応障害からいち早く回復するためには、ストレスの原因から離れる必要があります。しかし、離れるだけでは解決しない症状もあるでしょう。そのような時こそ、専門医に相談して一緒に解決策を模索することが重要となるのです。
少しでも不調を感じたら、お気軽に愛知県岡崎市にある岡崎メンタルクリニックへご相談ください。
関連記事: