
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を少しでも改善させたいと考えている場合、日々の生活も意識することも大切です。
一見、睡眠時無呼吸症候群と食事の関連はないと思われがちですが、食生活の乱れは睡眠時無呼吸症候群の主なリスク要因である「肥満」に直結しており、症状の悪化を招く可能性があるのです。
あなたは日頃、コンビニ弁当やカップラーメン、味の濃いものばかりを食べていませんか?
この記事では愛知県岡崎市の岡崎メンタルクリニックが、SASの症状改善に効果が期待できる「ダイエットや塩分制限の重要性」を含めた、具体的な食事の摂り方をご紹介します。
目次
■睡眠時無呼吸症候群(SAS)はなぜ食生活で悪化する?
乱れた食生活は、肥満を通じてSASを悪化させやすく、またSASが肥満を招くという悪循環になることがあります。
例えば、高カロリーな食事や夜遅い食事が続くと体重が増加し、首周りの脂肪が増えやすくなってしまいます。すると、気道が狭くなり、SASの症状が重症化しやすくなります。
SASの治療は睡眠だけでなく、食生活など日中の活動も見直すことが大切です。
■SASの症状を悪化させる食生活と注意点
ここでは、SASの症状に直接的・間接的に悪影響を与える食事や習慣について解説します。
◎寝る直前の食事とアルコール
就寝直前の食事は、消化器系に負担をかけ、症状を悪化させやすいです。満腹の状態で横になると、消化のために血流が胃腸に集中してしまいます。
また、肥満ではなくても横隔膜が押し上げられ、呼吸が浅くなりやすいと言われています。
さらに、アルコールは筋肉を緩める作用があるため、喉の筋肉も緩み、無呼吸やいびきを悪化させるので控えたほうがいいでしょう。就寝前2〜3時間の飲食や晩酌は避けるように心がけてください。
◎塩分過多の食生活がもたらすリスク
塩分を過剰に摂取すると、体内の水分量が増加します。この余分な水分が、夜間に首や喉周辺に溜まりやすくなり、気道のむくみを引き起こすことがあるのです。
結果的に気道をさらに狭くしてしまい、無呼吸となるリスクがあります。
■SASの方に知って欲しい食事の摂り方と実践法
SASの改善とダイエットを成功させ、症状の改善を目指すための具体的な食生活のポイントを解説します。
◎ダイエットで減量を目指しましょう
BMIが25以上の方は、まず少しずつでも減量を意識することが重要です。体重を10%減らすだけで、無呼吸の回数が約26%も減少することが研究で示されています。
※閉塞性睡眠時無呼吸症候群の管理には減量が不可欠。Sleep AHEAD誌の10年間の追跡調査
食事の質としては、主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事を心がけましょう。極端な糖質制限ではなく、高タンパク質・低脂肪を意識してみてください。
例えば、朝食や間食に菓子パンや甘い飲み物を飲食している人は、無糖のヨーグルトやフルーツ、オートミールなどもおすすめです。
満腹感を感じやすくするため、一口につき30回噛むなど、ゆっくり食べる習慣をつけましょう。
◎塩分制限を意識しましょう
加工食品や外食を控え、塩分制限を実践してみてください。これにより、喉のむくみを防ぎ、気道を確保しやすくなります。
また、カリウムを多く含む食品(野菜、果物、きのこ類など)を積極的に摂ることで、余分なナトリウム(塩分)の排出を促し、むくみの予防に役立ちます。
■岡崎メンタルクリニックはSAS治療にも力を入れています
SASの症状は、CPAPなどの治療だけでなく、日々の「食生活」によっても大きく左右されます。肥満はSASの大きな原因になりやすく、SASは肥満を招く悪循環があるのです。
寝る前の食事やアルコール、塩分過多の食生活は、症状を悪化させるため注意が必要です。
ダイエットや塩分制限を意識することは、SAS治療における重要なセルフケアにつながります。ご自身やご家族の食生活について不安がある方、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を予防したい方は、いつでも睡眠障害に詳しい当院にご相談ください。