
「寝つきが良くなるから」と、就寝前に一杯のお酒を楽しむ「寝酒」が習慣になっている方は少なくありません。しかし、その一杯が実はあなたの睡眠を妨げ、深刻な「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を悪化させている可能性があります。
なぜ、寝る前のお酒はいびきを誘発するのでしょうか。
この記事では、愛知県岡崎市の岡崎メンタルクリニックが、飲酒が睡眠時無呼吸症候群を悪化させるメカニズムについて詳しく解説します。
目次
■なぜ寝酒はいびき・無呼吸を招くの?
お酒を飲んだ夜、家族から「いびきがうるさかった」と言われた経験はありませんか?これにはアルコールが筋肉に与える影響が大きく関わっています。
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上気道を支える筋肉の弛緩
アルコールには筋肉をリラックスさせる作用(筋弛緩作用)があります。睡眠中、喉の周りの筋肉が緩むと気道が狭くなり、そこを空気が通る際の振動がいびきとなります。
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舌根沈下(ぜっこんちんか)の発生
アルコールによって筋肉が緩みすぎてしまいます。そうすることで、仰向けで寝た際に舌の付け根が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道を完全に塞いで「無呼吸」の状態が作り出されます。
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鼻粘膜の充血
アルコールの血管拡張作用により鼻の粘膜が腫れ、鼻の通りが悪くなることも、口呼吸を誘発しいびきを悪化させる一因になることがあります。
■睡眠時無呼吸症候群の可能性のある方が寝酒を続ける3つのリスク
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある方にとって、いびきを放置して寝酒をすることは健康リスクを高める恐れがあります。ここではどのようなリスクがあるのかを解説します。
◎脳がピンチに気づけず、酸欠が長引く
通常、睡眠中に呼吸が止まって酸素が足りなくなると、脳が「このままでは危険!」と判断して、一瞬だけ目を覚まさせます(覚醒反応)。この働きによって、私たちは無意識に呼吸を再開しているのです。
しかし、アルコールによって脳の働きが鈍くなっていると、気づきにくくなってしまいます。その結果、呼吸が止まったままの状態が長く続き、全身が深刻な酸素不足(低酸素状態)にさらされてしまうのです。
◎心臓や血管が「全力疾走」の状態になる
無呼吸による酸素不足は、心臓や血管にとって非常に大きなストレスとなります。
足りない酸素を補おうとして心拍数や血圧が急上昇し、寝ているはずなのに動いているような負担がかかっています。
もともとSASがある方が寝酒を続けると、血管へのダメージが蓄積し、高血圧や心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる病気を発症するリスクがより高まってしまうのです。
◎眠りの質が悪くなり、疲れが取れない
お酒を飲むと寝つきは良くなりますが、その後の眠りの質は悪くなることがあります。
睡眠の質は入眠だけでは決まりません。アルコールが体内で分解される過程で、脳を興奮させる物質が作られ、眠りが浅くなって何度も目が覚めてしまうのです。
結果、翌日の強い眠気や集中力の低下、倦怠感といった悪循環を引き起こすリスクがあります。
■お酒を楽しむための量・タイミングのルール
お酒を完全に断つのが難しい場合、タイミングや量を調整することでリスクを抑えられます。次のようなルールを意識してみましょう。
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就寝の3〜4時間前には飲み終える
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適量を守る
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休肝日を設ける
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横向きに寝る
厚生労働省が推奨する節度ある飲酒量(純アルコール1日20g程度、ビールなら500ml缶1本、日本酒なら1合弱)を目安にしてみてください。
また、飲酒した日は特に舌が落ち込みやすいため、横向きで寝ることで気道を確保しやすくするのも一時的な対策として有効です。
■飲酒後のいびきが気になるなら岡崎メンタルクリニックへ
アルコールを飲んだ時だけいびきをかくという方も、病気が隠れているサインが出ているかもしれません。「お酒のせいだから仕方ない」と放置せず、一度専門の医療機関を受診しましょう。
当院は、患者さまが自宅でできる簡易検査によって、睡眠中の無呼吸の程度を調べる検査も可能です。早期に適切な治療を受けたい方は、いつでも愛知県岡崎市にある岡崎メンタルクリニックへご相談ください。