
「最近、気分が晴れない」「仕事に行くのがつらい」
そう感じていても、「疲れているだけだろう」「甘えているんだろう」と思うことは少なくありません。しかし、うつ病は単なる気分の落ち込みではなく、脳のエネルギーが枯渇した状態です。
悪化させないためには、ご自身や周りの症状を理解し、客観的な重症度を把握することが大切になります。
この記事では、愛知県岡崎市の岡崎メンタルクリニックが、診断基準に基づき、うつ病の軽症・中等度・重症それぞれの症状の違いを詳しく解説します。
目次
■うつ病の重症度はどう決まる?
世界保健機関(WHO)による「ICD」と、米国精神医学会による「DSM」という2つの世界的な診断基準が一般的に用いられます。
うつ病の知識を持つ精神科医が患者さまの状態を診て、これらの基準に基づき重症度を判断しているのです。判断には主に2つのポイントが重視されています。
1.症状の数と種類
「抑うつ気分」や「興味・喜びの喪失」といった症状に加え、不眠、自責感、食欲不振などがいくつ現れているかを確認します。
2.社会機能の障害
仕事や家事・育児、学校生活、あるいは入浴や食事などの身の回りのことが、普段通りにできているかを確認します。
これらの症状が「2週間以上続いていること」も判断基準の1つです。身体や行動にどのような影響が出ているかを客観的に評価し、最終的な重症度が決まります。
■うつ病の軽症・中等度・重症の症状と特徴
うつ病の症状は、少しずつ兆候が見られると言われています。しかし、本人が我慢してしまったり、周囲も気づかないこともあり、いつの間にか重症化することもあるのです。
そこで、ここではそれぞれの段階でよく見られる特徴を整理してみました。
◎軽症:仕事や家事はできるが、非常につらい状態
診断基準にある典型的症状とその他の症状を合わせて、目安として4〜5個ほど当てはまる段階です。
たとえば、 次のような症状が現れます。
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気分が沈む
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何事も楽しめない
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疲れやすい
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集中力が低下している
日常生活では自分を奮い立たせることで、仕事や家事をこなすことはある程度できます。しかし、以前に比べて時間がかかったり、帰宅後にぐったりと動けなくなる人も多いと言われています。
◎中等度:日常生活に明らかな支障が出ている状態
診断基準にある症状の数が目安として6個以上現れ、社会生活が困難になり始めます。
たとえば、軽症の症状に加え、次のような症状が現れます。
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不眠(または過眠)
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強い焦りやイライラ
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思考が停止したような感覚
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自信の喪失
ただし、個人差があるため軽症で身体症状が先に出ることもあります。
日常生活では、仕事を休みがちになったり、家事が滞ったりするなど、社会生活を維持するのが困難になる人もいます。
◎重症:生活の維持が困難で、専門的なケアが必須の状態
ほぼ全ての症状が揃い、自分一人では生活を支えられない段階です。
たとえば、軽症や中等度の症状に加え、以下の症状が出現します。
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脳の処理速度が極端に落ちる
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会話する際に返答に時間がかかる
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表情が仮面のようになる
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「自分は無価値だ」と事実と異なる強い思い込みが現れる
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強い希死念慮(死にたいという思い)が現れる
外出ができなくなったり、人との交流を強く避けるようになったりするなどの行動も見られることがあります。
■早期発見のためにチェックしたい「変化」のサイン
ご自身や周りの人の変化に気づくためのポイントをまとめました。2週間以上続いている場合は、受診を検討するタイミングです。
本人が感じやすいこと
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眠れない、寝付けないなど睡眠の悩みがある
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食欲がない、もしくは食べ過ぎるなど食事の悩みがある
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自分を責める気持ちが消えず、何をしても罪悪感がある
周囲が気づきやすいこと
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最近、外出していないように見える
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(職場などで)ミスや遅刻、欠勤が増えた
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身だしなみに無頓着になった
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表情がかたくなったようにみえる
わずかな変化も見逃さずにいることで、早期発見はしやすくなります。
■重症度に関わらず「早めの相談」を岡崎メンタルクリニックへ
うつ病の症状や重症度は人それぞれですが、共通して言えるのは「早期発見・早期受診」が回復への重要であるということ。医療の力を借りながら、脳をしっかり休ませることが必要です。
「まだ働けているから大丈夫」と自分を追い込むのではなく、「以前の自分と違ってつらい」という感覚を大切にしてください。
家族や友人に上記のような症状がある場合も、お気軽にご相談くださいね。