愛知県岡崎市にある【岡崎メンタルクリニック】です。
みなさんは、日中に耐えがたい眠気におそわれたり、居眠りをしてしまったりすることはありますか?
睡眠障害は不眠のイメージが強いですが、ぐっすり眠っていても眠気や居眠りの症状が出ることもあるのです。そこで今回は、過眠症の1つである「特発性過眠症」の症状や治療法と、同じく過眠症に分類される「ナルコレプシー」との違いを解説します。
目次
■特発性過眠症とは
特発性過眠症とは、思っていた以上に居眠りしてしまったり、目覚めがすっきりしないなどの症状がある睡眠障害です。
ナルコレプシーも同じような症状があり、ナルコレプシーの方が有病率は高いですが、特発性過眠症も気をつけないと大きな事故につながってしまうこともあります。
◎特発性過眠症の症状
特発性過眠症は、夜きちんと睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気に襲われる症状が特徴的。
睡眠時間が長く、11時間以上に及ぶことも特発性過眠症の症状の1つです。ほかにも次のような特徴があります
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居眠りが1時間以上になることがある
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眠気をある程度我慢できる
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目覚めが悪い、目覚めてもすっきりしない
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入眠時レム睡眠がほとんど見られない
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情動脱力発作がない
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1日の睡眠時間が11時間以上に及ぶ
このほかにも、「少なくとも3ヶ月の間毎日耐えられない睡眠の欲求あるいは日中の寝落ちがある」なども診断基準の1つです。
◎特発性過眠症の原因
特発性過眠症の原因は、中枢神経系の機能障害と考えられています。
しかし、未だに特定の原因や特徴は詳しく把握されていません。
特発性過眠症の患者さまのなかでも、睡眠時間が長い人もいれば、少し長い程度の人もいるので症状は目安としてとらえ、まずは睡眠に詳しい医師に相談してみましょう。
■特発性過眠症の治療法
特発性過眠症の治療法は、ナルコレプシーと同様です。
当院では、次の2つの治療法を行っています。
◎治療法①生活指導
過眠症は主に生活指導を中心に行っています。
過眠症は、睡眠不足によって眠気が生じやすいとされているため、日中の過ごし方などの指導が治療として役立つからです。ただし、非薬物療法(生活指導のみ)では限界があるため、当院では薬物療法と併用して治療に取り組んでいます。
◎治療法②薬物療法
日中の眠気に対する薬物療法を行っています。
特発性過眠症の原因は、中枢神経系の機能障害の可能性があるとお話しました。薬物療法では、主に中枢神経刺激薬のモダフィニル(モディオダール)などを使用しています。
モダフィニル(モディオダール)は、ほかの中枢神経刺激薬よりも依存性や重篤な副作用も少ない薬。少量から開始し、副作用を見極めつつ量を調整していきます。
■ナルコレプシーと特発性過眠症の違い
前回紹介したナルコレプシーも過眠症の1つです。では、特発性過眠症とナルコレプシーの違いは、どのようなところにあるのでしょうか?
ナルコレプシーと特発性過眠症の違いをまとめてみました。
ナルコレプシー |
特発性過眠症 |
|
居眠り |
我慢できない/30分以内 |
ある程度我慢できる/1時間以上 |
睡眠 |
正常(6~7時間程度) |
11時間以上など、長い人が多い |
入眠時レム睡眠(※1) |
起こりやすい |
ほとんど見られない |
情動脱力発作(※2) |
ある人もいる |
ない |
※1 入眠時レム睡眠
睡眠時、体は休んでいても脳は活発に動いていおり、骨格筋が弛緩している状態。夢を見やすく、眼球運動なども起こる。自律神経機能が不安定になり、脈拍、呼吸などが変動する。
一方でノンレム睡眠は、脳が休息している状態。疲労回復のために重要で、3つの睡眠段階(寝始めのN1から深い眠りのN3まで)に分かれ、N1からN3に移行して眠りに入る。脈拍、呼吸などは少なくなる。
※2 情動脱力発作
日中、感情が高まることをきっかけに一時的な脱力が生じる症状。(例:ろれつが回らない、膝の力が抜けるなど)
■過眠症・睡眠障害の治療なら岡崎メンタルクリニックへ
今回は、特発性過眠症を中心に、ナルコレプシーとの違いも解説しました。
「たくさん寝ているはずなのに眠い」
「30分の予定が1時間以上居眠りしてしまう」
「目覚めが悪い、すっきりしない」
このようなお悩みがある方は、症状や環境改善のためにも、早めに病院へ受診してください。
愛知県岡崎市にある【岡崎メンタルクリニック】では、精神疾患だけでなく睡眠障害の治療にも力を入れています。
薬物療法に抵抗のある方も、当院では生活指導を取り入れつつ、適切な治療法を共に考えていきますので、ぜひお気軽に当院までご相談くださいね。